関空からヨーロッパへビジネスクラスで飛ぼうとすると、ANAだと羽田乗り換えが必須なうえ、当時の見積もりで50万円強。いろいろ探した結果、移動時間はほぼ同じで半額ほどだったのがアシアナ航空でした。
そのかわり、羽田の代わりにソウルの仁川空港で乗り継ぐことになります。この記事は、その最初の区間である関空〜仁川のビジネスクラスに僕が実際に乗ったときの搭乗記です。
短い区間とはいえ、座席はどうなのか、機内食は出るのか。乗る前に僕が気になっていたことを実体験ベースでまとめつつ、この路線は当時からかなり様変わりしているので、2026年現在の最新事情もあわせて整理します。
この記事の要点
関空〜仁川のアシアナ便は2026年現在、毎日4往復・所要約2時間。機材は便によってA330-300(ライフラット席)かA321neo(リクライニング席)に分かれます。そしてアシアナブランドは2026年12月17日に大韓航空へ統合されて消滅する予定なので、「アシアナのビジネスクラス」に乗れるのは実質この2026年が最後です。
関空〜仁川のアシアナ便は毎日4往復ある
まず2026年現在の運航状況からです。関空〜仁川のアシアナ便は選択肢が多く、朝から深夜便まで毎日4往復飛んでいます。
| 便名 | 関空発 | 仁川着 |
|---|---|---|
| OZ115 | 09:30 | 11:35 |
| OZ111 | 10:30 | 12:40 |
| OZ113 | 19:45 | 21:40 |
| OZ117 | 00:15 | 02:15 |
帰りの仁川発もOZ112(06:55発)からOZ118(20:40発)まで同じく1日4便あります。所要は約2時間。僕が乗ったのは朝9時台に関空を出る便で、ヨーロッパ行きの昼便に仁川で乗り継ぐにはちょうどいい時間帯でした。この流れは今の午前2便でもそのまま再現できます。
仁川空港はターミナル2発着
アシアナ航空は2026年1月14日から仁川空港の第2ターミナル(大韓航空と同じ)に移りました。僕が乗った当時は第1ターミナルだったので、昔の記憶で動くと間違えます。時刻や機材は時期で変わるため、予約時に公式サイトで最新を確認してください。
座席は「国内線プレミアムシート」の感覚だった
搭乗して最初に思ったのは、ANAの国内線プレミアムクラスでよく見る配置だな、ということでした。当時の機材はボーイング767で、フルフラットにはならないゆったりめのシート。国際線ビジネスというより、上質な国内線という雰囲気です。

ただ、よく考えたら関空〜仁川は約2時間で、北海道に行くのと変わらない距離感です。この区間だけフルフラットを求める必要はないので、僕は特に不満を感じませんでした。
面白かったのは乗客の顔ぶれです。エコノミーはほぼ満席なのに、ビジネスクラスはガラガラ。しかも周りの乗客のほとんどが、仁川に着いたあと乗り継ぎの手続きをしていました。ソウルまでの2時間のためにビジネスを買う人は少なくて、ヨーロッパ行きなどの長距離ビジネスを買うと、関空〜仁川の区間もセットでビジネスになるというパターンが大半なんだと思います。
ここは2026年現在の大事な変更点で、僕が乗った767は2025年5月31日をもって全機退役しました。今この路線に入っているのは、便によってA330-300かA321neoのどちらかです。
| 機材 | ビジネスクラスの座席 |
|---|---|
| A330-300 | 斜めに倒れるライフラットタイプ。短距離でも横になれる |
| A321neo | 2-2配列の8席。リクライニングタイプ(ピッチ約99cm) |
同じ路線・同じビジネスクラスでも、どちらの機材に当たるかで座席はかなり違います。座席にこだわるなら、予約時に機材を確認してA330の便を選ぶのがおすすめです。
機内食はビビンバではなく、まさかのすき焼き風
韓国系の航空会社といえば、僕の中では機内食はビビンバのイメージでした。昔、友達と大韓航空のエコノミーに乗ったときのビビンバがかなり美味かったんですよね。
じゃあビジネスクラスはどうなのか。まずメニューが配られて、写真で見るかぎり結構豪華そう。僕はビーフを選びました。

出てきたのは、すき焼き弁当のような機内食。実際、手前の肉はほぼすき焼きの味でした。これは韓国料理なんだろうか、とツッコミつつ完食。頼みませんでしたが、アルコール類も一通り揃っています。
国際線のビジネスクラスとして期待すると肩透かしかもしれません。ただ、関空〜仁川は関空〜札幌くらいの距離感で、ANAの国内線プレミアムクラスの食事と比べればこんなものです。約2時間のフライトで温かい食事と飲み物が出れば、僕は十分だと思いました。
本番は仁川から先の長距離便です。僕はこのあと仁川からバルセロナまで約14時間飛びましたが、そちらは機内食が3回出て、座席もフルフラットでした。長距離区間の様子はアシアナのビジネスクラスで仁川からバルセロナへ飛んだ搭乗記にまとめています。
関空のラウンジ事情は2025年に様変わりした
ビジネスクラスなら出発前にラウンジも使えます。ここも当時と今で大きく変わったところです。
僕が乗った頃、関空のスターアライアンス系ビジネス客はANAラウンジに案内されるのが定番でした。そのANA LOUNGEは2025年5月31日で営業を終了し、翌6月1日からは関西エアポートが運営する「KIX Lounge Premium」と「KIX Lounge Kansai」に切り替わっています。アシアナのビジネスクラスの場合、案内されるのは出国後中央エリアのKIX Lounge Kansaiです。

ラウンジの割り当ては今後も変わる可能性があるので、当日の搭乗券と公式案内での確認が確実です。朝9時台の便なら、ラウンジで軽く朝食をとってから搭乗する流れがちょうどよくハマります。
アシアナとして乗れるのは2026年12月まで
最後に、この路線の一番大きなニュースです。大韓航空によるアシアナ航空の買収は2024年末に完了していて、2026年12月17日に「統合大韓航空」が発足し、アシアナというブランド自体がなくなる予定です。
関空〜仁川の便がなくなるわけではなく、大韓航空の便として引き継がれていく流れです。ただ、この記事で書いてきた「アシアナのビジネスクラス」という体験ができるのは、2026年いっぱいと考えておくのが現実的です。
マイレージの注意点
アシアナは2026年12月16日にスターアライアンスを脱退します。ANAマイルなどスターアライアンス経由でアシアナ便の特典を取れるのもそれまで。アシアナクラブのマイル自体は統合後も約10年間維持され、大韓航空スカイパスへの移行レートは搭乗マイル1:1、提携マイル1:0.82と発表されています。
ところで、関空〜仁川だけをビジネスクラスで乗る価値はあるの?と思う人もいますよね。僕の感覚では、この区間単体でお金を積む必要は薄くて、やはり長距離ビジネスのセット区間として乗るのが一番おいしい使い方です。優先搭乗とラウンジ、荷物の優先受け取りまで通しで効くので、乗り継ぎ全体のストレスが目に見えて減ります。
関空発でフルフラットに安く乗りたいだけなら、エアアジアのプレミアムフラットベッドでバンコクへ飛んだ搭乗記のようなLCCの上位クラスという選択肢もあります。ただ、機内食やラウンジ込みの快適さはフルサービスのアシアナに分がありました。
僕はこの便でソウルを経由してバルセロナに入り、分子ガストロノミーの名店エニグマやボケリア市場の朝食を楽しんできました。仁川乗り継ぎのヨーロッパ行きは関西在住者にとって今も有力ルートです。アシアナとして乗れる残り時間は決まっているので、気になっている人は2026年のうちにどうぞ。



