ワーケーションと聞いて、都会のコワーキングを思い浮かべる人は多いと思います。
福岡のワーケーションを調べたとき、僕は無料のコワーキング施設や海沿いのオフィスを比較しました。あれは「街で働く」ための記事でした。
今回調べた南紀白浜は、それとはだいぶ違います。温泉とビーチが目の前にあって、そこに仕事を持ち込むという発想の場所です。2026年現在の宿泊プランとアクセスをまとめました。
先に押さえておくこと
白浜町は2017年からワーケーション誘致を自治体の施策として続けています。羽田空港から南紀白浜空港まで直行で約60分、1日3往復あるので、東京からの日帰り出張感覚でも往復できます。宿泊してワークラウンジや温泉を使う個人向けプランと、企業が拠点を構える月額契約のサテライトオフィスは別物なので、この記事では前者、つまり個人が予約して使える選択肢だけをまとめました。
なぜ空港のある町がワーケーションを続けているのか
白浜町には和歌山県で唯一の空港があります。年間の観光客は約340万人で、もともと温泉とビーチのリゾート地として知られてきました。
ICT企業の誘致を町ぐるみで進めてきた歴史があり、無料Wi-Fi「Shirahama free Wi-Fi」を町なかに整備しています。ここに10年近く企業のサテライトオフィスが入ってきた積み重ねがあるので、通信環境やワークスペースの選択肢は地方の観光地にしては珍しいくらい揃っています。
ただ、企業のサテライトオフィスの多くは月単位の契約が前提です。個人が週末や数日だけ「働きながら泊まる」ために使える場所は、また別に探す必要があります。
羽田からは乗ってしまえば1時間
アクセスの話を先にしておきます。ここが福岡ワーケーションとの一番の違いだと思っているので。
| 便 | 区間 | 時刻 |
|---|---|---|
| JAL213便 | 羽田→南紀白浜 | 7:45発 → 8:55着 |
| JAL215便 | 羽田→南紀白浜 | 11:30発 → 12:45着 |
| JAL219便 | 羽田→南紀白浜 | 16:30発 → 17:40着 |
| JAL212便 | 南紀白浜→羽田 | 9:35発 → 10:40着 |
| JAL214便 | 南紀白浜→羽田 | 13:50発 → 15:00着 |
| JAL218便 | 南紀白浜→羽田 | 18:25発 → 19:40着 |
運賃の目安
JALの普通運賃で片道16,770円から。時期や予約タイミングで変わるので、出発日が決まったら早めに価格を見ておくのがおすすめです。

朝いちばんのJAL213便に乗れば、9時前には白浜に着きます。金曜の午後に南紀白浜発で戻れば、月〜木は現地で働いて、金曜の午後は東京に戻っているという組み方もできます。新幹線と違って「乗ってしまえば1時間」なので、移動時間そのものを仕事に使いにくいのは正直なところです。ここは新幹線移動が使える福岡と逆の特徴です。
宿泊してワークラウンジを使う、いちばん手軽な形
個人が予約できる選択肢のうち、一番わかりやすいのがホテルの宿泊者向けワークスペースです。
南紀白浜マリオットホテルには「Cozy Works」というワークラウンジがあります。森トラストの公式リリースによると、1階ラウンジは7時から22時まで開いていて、11時から22時は飲食のオーダー制です。11階には5時から23時まで使えるビューラウンジもあります。
宿泊すればラウンジ自体は使えますが、ドリンクや軽食が無料になるかはBonvoyの会員ランクによって変わる可能性があるので、予約時にホテルへ確認しておくと安心です。Web会議用の個室は有償で借りられるので、オンライン打ち合わせが入っている日はここを押さえておくと落ち着いて話せます。
6泊からのウィークリープラン、通常より4割安く泊まる
もう少し長く滞在するなら、Guest Living Mu 南紀白浜の「ワーケーションウィークリープラン」が候補になります。
最低6泊からの利用で、通常料金より4割安くなるプランです。館内にコワーキングスペースがあり、Wi-Fiも完備。1階には共用の温泉大浴場があって、シャンプーやボディーソープも備え付けです。朝はパンとゆで卵、コーヒーか紅茶という簡単なモーニングがつきます。
| 南紀白浜マリオットホテル | Guest Living Mu 南紀白浜 | |
|---|---|---|
| 向いている滞在 | 数日の短期 | 6泊以上の長期 |
| ワークスペース | ラウンジ2箇所(1F・11F) | 館内コワーキングスペース |
| 温泉 | ホテル内大浴場 | 共用温泉大浴場 |
| 朝食 | レストラン利用 | パン・ゆで卵・飲み物の簡易セット |
| 立地 | 白良浜エリア | 白良浜まで徒歩約5分 |

短く様子を見てみたいならマリオット、腰を据えて数日単位で仕事を進めたいならGuest Living Muのウィークリープラン、というのが今回調べた中でのざっくりした住み分けです。
Office Cloud 9は個人向けではありません
白浜町公式ページに載っている「Office Cloud 9」は個室ブースを備えたサテライトオフィスですが、共益費だけで月80,000円かかる法人契約制の施設です。南紀白浜空港のすぐ隣というアクセスの良さは魅力ですが、週末だけ使いたい個人が申し込める場所ではないので、この記事では対象から外しています。
白良浜と熊野古道、仕事の合間にどう挟むか
働く場所の話ばかりだと、リゾートに来た意味が薄れます。
白良浜は真っ白な砂浜が600メートル以上続くビーチで、宿泊先の多くが徒歩圏内にあります。仕事の合間、日が落ちる前の1時間だけ散歩に出る、という使い方がしやすい距離感です。

もう少し体を動かしたい日は熊野古道の入り口まで足を延ばす人もいるようです。ただしこちらは移動に時間がかかるので、丸一日休みを作れる日に回すのが現実的だと思います。平日の合間に軽く息抜きしたいなら、まずは白良浜とその周辺で十分です。
朝いちばんの便で羽田を発つ日は、空港での朝ごはんも軽く調べておくと動きやすくなります。羽田空港のグルメ記事に保安検査前後の選択肢をまとめました。
都市型のワーケーションと比べてみたい人は、福岡でワーケーションした記事も参考にしてください。無料コワーキングを転々とする働き方と、リゾートで温泉つきの宿にこもる働き方、どちらが自分に合うかが見えてくると思います。
海外のノマド環境も知っておきたいなら、バンコクのノマド向けホテルの記事やチェンマイのノマドカフェの記事も書いています。国内と海外、Wi-Fiの安定感や物価の感覚はかなり違います。
南紀白浜のワーケーションで迷いやすいところ
羽田以外からでも行けますか
この記事では羽田便を中心に紹介しましたが、南紀白浜空港には他の路線もあります。関西からなら新大阪発の特急「くろしお」で向かう選択肢もあるので、出発地に合わせて比較してみてください。
Wi-Fiは自分で用意すべきですか
町なかに「Shirahama free Wi-Fi」という無料の通信環境が整っていますが、オンライン会議を安定して行うなら宿泊先の館内Wi-Fiか、自分のモバイルルーターを併用しておくほうが確実です。
短期の出張感覚でも使えますか
使えます。朝いちばんの便で着いて、夕方の便で戻れば日帰りも可能な距離です。ただし移動が片道1時間かかる分、機内では仕事がしづらいので、その時間は休憩に充てるくらいの気持ちでいたほうが疲れません。
家族連れでも成立しますか
温泉とビーチが揃っているので、平日は自分が働いて、休日は家族と過ごすという組み方をしている人もいるようです。子ども向けの施設も周辺にあるので、滞在日数を延ばすほど選択肢が広がる場所だと思います。
福岡は「街のインフラを使い倒す」ワーケーションでしたが、南紀白浜は「リゾートの時間に仕事を差し込む」感覚に近いです。次に和歌山へ行く機会があれば、実際に何日か滞在して、この記事に現地の感想を追記するつもりです。





