バンコクの三大寺院、つまり王宮(ワットプラケオ)とワットアルンとワットポーは、だいたいどのガイドを見ても「午前中に3つ回りましょう」と書いてあります。僕も最初はそう信じて朝から3連続で歩いて、昼過ぎには完全に干上がりました。
タイの日中はとにかく暑いです。しかも三大寺院はどこも屋外を歩き回る構造なので、11時から15時のいちばん暑い時間に、いちばん人の多い場所を歩くことになります。入場料と営業時間を並べて見たとき、これは順番のほうが間違っているんじゃないかと思うようになりました。
料金と時間は2026年7月時点で確認したものを載せています。
三大寺院、僕がすすめる順番
王宮(朝いち)→ 渡し船でワットアルン → ワットポーは夕方。理由は営業時間で、王宮はチケット販売が15時半で終わるのに対し、ワットポーだけは19時半まで開いています。いちばん早く閉まるところから片づけて、最後まで開いているところを暑さの引いた夕方に残す。それだけで同じ3か所がかなり楽になります。
三つとも歩いて回れる距離にある
まず位置関係です。この3つは川をはさんで固まっていて、地図で見ると拍子抜けするくらい近いです。
王宮とワットポーは同じ岸にあって、王宮の南の門を出て塀沿いに歩けば10分ほどでワットポーの入口に着きます。ワットアルンだけが対岸ですが、これも渡し船で3分です。つまり移動そのものに時間はかかりません。時間を食うのは移動ではなく、行列と暑さのほうです。
起点になるのはMRTブルーラインのサナームチャイ駅(BL31)です。1番出口から出て、ワットポーまで300mほど、徒歩5分から10分。王宮までは10分から15分といったところ。ちなみにこの駅、構内がラタナコーシン様式の柱と装飾で作り込まれていて、タイでいちばん美しい駅と呼ばれています。降りた瞬間から観光が始まるので、ホームで写真を撮っている人をよく見かけます。

料金と時間はこうなっています。合計1,000バーツ、日本円だとだいたい4,000円台。1日ぶんの観光費としては、正直タイの物価の中ではそこそこ張ります。
| 寺院 | 入場料(外国人) | 開門時間 | 滞在の目安 |
|---|---|---|---|
| 王宮+ワットプラケオ | 500バーツ | 8:30〜16:30(チケット販売は15:30まで) | 1.5〜2時間 |
| ワットアルン | 200バーツ | 8:00〜18:00(最終入場17:30ごろ) | 1時間前後 |
| ワットポー | 300バーツ | 8:00〜19:30 | 1〜1.5時間 |
移動を含めて全部で4時間から6時間。半日を空けておけば足ります。逆に言うと、丸1日をここだけに使う必要はないということです。
王宮は朝いちに行くしかない
順番の起点が王宮になるのは、ここがいちばん早く閉まるからです。開門は8時半ですが、チケットの販売が15時半で止まります。夕方に回そうとすると単純に入れません。
そしてもうひとつ、王宮は三つの中でいちばん混みます。団体ツアーのバスが到着し始めるのが9時台なので、8時半の開門と同時に入れるかどうかで、境内の写真がまるで別物になります。人の頭を写さずにエメラルド寺院の本堂を撮りたいなら、ここは早起き一択です。
500バーツにはワットプラケオ(エメラルド寺院)と、宮殿側のいくつかの建物の拝観が含まれています。別料金の追加は基本的にありません。
王宮のポイント
入場料500バーツにワットプラケオ込み。開門8:30、チケット販売は15:30終了。身長120cm未満の子どもは無料。8:30に入るとツアーバスの波の前を歩けます。
境内は日陰がほとんどありません。帽子と水は必須で、水は入場前にコンビニで買っておくほうが安く済みます。
渡し船で川を渡ると、それだけで移動が楽しい
王宮を出たら、川べりのターティエン桟橋(Tha Tien)へ向かいます。ここから対岸のワットアルンまで、渡し船が数分おきに出ています。
運賃は片道数バーツ。所要3分。バンコクの移動でここまで安くて気持ちのいい区間はそうありません。船着き場で切符を買って、船が着いたら乗って、向こう岸で降りるだけです。行列ができていても回転が速いので、待ち時間はほとんど気になりません。

ワットアルンの入場は200バーツ。中心の仏塔は急な階段でテラスまで上がれて、そこからチャオプラヤー川と対岸の王宮側のスカイラインが一望できます。ただし上がれる段は時期によって制限が変わることがあるので、現地の案内表示に従ってください。階段は本当に急なので、サンダルよりスニーカーが安心です。
船の系統はややこしいので割り切る
ターティエン⇔ワットアルンの渡し船と、川を縦に走るエクスプレスボートは別物です。エクスプレスボートは旗の色で系統が分かれていて、2026年に入ってからダイヤの改定もありました。運賃は20バーツ前後ですが、系統によって停まる桟橋も走る曜日も違うので、乗る前に桟橋の窓口で行き先を確認するのが確実です。
ワットポーだけが夜まで開いている
ここがこの順番のいちばんの肝です。ワットポーの開門は8時から19時半。三大寺院で唯一、日が落ちてからも入れます。
つまり王宮とワットアルンを昼までに片づけてしまえば、ワットポーは17時でも18時でも回れる。暑さのピークが過ぎて、光がやわらかくなって、団体客もいなくなった時間帯に、全長46mの涅槃仏とゆっくり向き合えます。同じ300バーツで体験の質がまるで違います。

入場料の300バーツには、ミネラルウォーターが1本ついてきます。細かい話ですが、丸1日歩いたあとの1本はけっこう効きます。
ワットポーはタイ古式マッサージの総本山としても知られていて、境内にマッサージの施術所があります。三大寺院を歩き切った足で受けるという流れは、順番的にもちょうどいいです。
服装で門前払いされないために
寺院巡りでいちばんもったいない失敗が、服装で入場を断られることです。特に王宮は運用が厳しく、入口で止められている人を毎回のように見かけます。
基準はシンプルで、肩と膝が隠れているかです。ノースリーブ、タンクトップ、短パン、膝上のスカート、破れたデニム、透ける素材。このあたりは弾かれます。ノースリーブの上からストールを羽織る、という対応も王宮では認められていません。
暑いけど、Tシャツと長ズボンで行く
肩と膝が出ていなければ通ります。素材が薄手のものを選べば暑さはしのげます。門の外にも服を売っている店はありますが、値段は観光地価格ですし、そこで手間取ると声をかけてくる人も寄ってきます。宿を出る時点で着替えておくのがいちばん平和です。
靴については、脱ぐ場面が何度もあります。堂内に入るたびに脱ぎ履きするので、紐をきつく結ぶタイプの靴だと地味に消耗します。
「今日は閉まってる」と言われたら、まず疑っていい
王宮の周りには、必ずと言っていいほどトゥクトゥクのドライバーが待っています。そして親切そうに近づいてきて、こう言います。「今日は王宮は閉まっているよ」「午後まで外国人は入れないよ」。
これは昔からある手口で、別の場所へ連れて行ってコミッションを取るためのものです。王宮が急に閉まることは、王室行事などがない限りまずありません。門まで自分の足で歩いて、公式のチケット窓口で確認してください。それで済む話です。
ついでに書いておくと、この周辺で「特別価格の宝石店」「今日だけの政府公認ショップ」に案内しようとする流れも同じ系統です。乗らなければ何も起きません。
半日で足りるのか、という話
よく聞かれるのが所要時間です。移動と休憩を含めて4時間から6時間、というのが現実的な答えになります。
朝8時半に王宮へ入って、昼前にワットアルンを見て、そこで一度昼ごはんと休憩をはさむ。日が傾いてきた頃にワットポーへ戻る。この組み立てなら、朝から夕方までのあいだに余白がしっかり残ります。真ん中の暑い時間を冷房の効いたカフェで潰せるのも、この順番の効きどころです。
3つ全部は多いと感じるなら、僕なら王宮とワットポーを取ります。ワットアルンは外から眺めるだけでも絵になるので、川沿いのレストランから見上げるという選択肢もありです。
三大寺院の1日、時間割の例
8:30 王宮+ワットプラケオ/10:30 ターティエン桟橋から渡し船/11:00 ワットアルン/12:30 昼食と休憩(いちばん暑い時間)/17:00 ワットポー/18:30 川沿いかヤワラートで夕食。
回り終えたら、そのままヤワラートの夜へ
ワットポーを出るのが18時台なら、その足で向かうのにちょうどいい場所があります。バンコクの中華街、ヤワラートです。
屋台が路上に出そろうのが17時以降なので、時間帯がきれいに噛み合います。サナームチャイ駅からMRTで数駅、ワットマンコン駅で降りればもう屋台街の真ん中です。寺院で歩き回ったあとに、道端の椅子で食べる麺は本当にうまいです。
回る順番と店についてはヤワラートの食べ歩きをまとめた記事に書きました。MRTと船の乗り方そのものはバンコクの交通手段の記事にまとめてあります。バンコクの都市鉄道は2025年10月から20バーツの均一運賃になったので、この日の移動費はほとんどかかりません(対象路線や条件は変わりうるので、最新は現地の案内で確認してください)。
三大寺院の入場料1,000バーツを含めて、1日にいくら見ておけばいいかはタイ旅行の予算をまとめた記事が目安になります。旧市街に近い宿を選ぶと朝いちの王宮がぐっと楽になるので、エリア選びはバンコクのホテル記事を参考にしてください。歩き回る前提なら、どの季節に行くかも効いてきます(タイのベストシーズンの記事)。
入場料と営業時間は改定されることがあります。この記事の数字は2026年7月に確認したものなので、行く前に各寺院の公式案内で最終確認してもらえると確実です。





