アイコンサイアムの行き方を調べると、かなりの確率で「サトーン桟橋から無料シャトルボートが出ています」と書いてあります。僕もそう覚えていて、久しぶりに行ったときに何も持たずに乗り場へ向かいました。
そこで足を止めることになりました。窓口があって、料金が書いてあるんです。無料の船は、もうありません。
調べ直したら、アイコンサイアムが自前で走らせていた無料便は2023年の5月で終わっていました。今は民間の船会社が引き継いで、有料で運航しています。日本語の記事の多くが有料化前の情報のまま上位に残っているので、僕と同じ勘違いをしている人はけっこういるはずです。
料金や時刻は2026年7月時点で確認したものを載せています。
結論だけ先に
サトーン桟橋(BTSサパーンタクシン駅)から片道12バーツの有料シャトルボートで約10分。これが今のいちばん素直な行き方です。無料便は2023年5月に廃止されました。雨の日と夜遅くはBTSゴールドライン(17バーツ)に切り替えるのが正解。着いたあとは、G階のSookSiamと川沿いの噴水ショーがどちらも入場無料なので、買い物をしなくても半日つぶせます。
船が正解な理由は、渋滞をまるごと飛ばせること
アイコンサイアムは川の西岸、トンブリー側にあります。住所で言うとチャルンナコーン通りのソイ5。BTSやMRTの主要駅からは川をまたぐので、タクシーだと橋まで迂回することになります。
そしてバンコクの夕方の渋滞は、本当に動きません。BTSで川べりまで来て、そこから船で真横に渡る。この組み立てだと渋滞に一度も触らずに着けます。乗船時間はたった10分ですが、地上を走るのに比べて速いだけでなく、単純に気持ちがいいです。

起点はBTSシーロム線のサパーンタクシン駅です。改札を出て川の方向へ歩けば、すぐにサトーン桟橋(Sathorn Pier)の建物に入ります。ここまでは迷いません。迷うのはこの先です。
サトーン桟橋は「有料の船」と「無料の船」が並んで出ている
この桟橋がややこしいのは、行き先の違う船が同じ建物から何本も出ていて、しかも料金体系がバラバラなことです。ここを整理しないまま行くと、僕のように窓口の前で固まります。
| 行き先 | 料金 | 運航時間の目安 | 間隔・所要 |
|---|---|---|---|
| アイコンサイアム | 12バーツ(有料) | 9:00〜23:00ごろ | 15〜20分間隔/約10分 |
| アジアティーク | 無料 | 16:00〜23:30ごろ | 約15分間隔/約10分 |
| エクスプレスボート(川を縦に走る公共船) | 20バーツ前後 | 旗の色で系統が違う | 系統次第 |
つまり同じ桟橋の中で、アイコンサイアム行きは有料なのに、アジアティーク行きは今も無料という状態です。この非対称が混乱の元で、「サトーン桟橋の無料シャトル」という記憶がアジアティーク側と混ざって語り継がれているんだと思います。
チケット窓口は建物の左端まで歩く
桟橋に入るとまず公共ボート会社の窓口が並んでいますが、そこは通り過ぎて、建物の左端まで進んでください。乗船口の直前にアイコンサイアム専用のチケットカウンターがあります。手前の窓口の列に並んでしまうと、順番が来てから「そっちじゃない」と言われて戻ることになります。僕はこれを一度やりました。
帰りも同じ桟橋に戻ってくる船なので、往復で使えます。館内から乗り場へ出る導線には案内表示が出ているので、帰り道で迷うことはあまりありません。
雨の日と夜遅くは、ゴールドラインに切り替える
船は快適ですが、天気に弱いです。雨季の午後にスコールが来ると桟橋での待ち時間が読めなくなるし、日が完全に落ちてからだと川面の風がけっこう冷えます。
そのときの代替がBTSゴールドラインです。シーロム線のクルントンブリー駅で乗り換えて、モノレールで3駅。アイコンサイアムの最寄りはチャルンナコーン駅で、駅から施設まで屋根のある通路で繋がっています。運賃は定額17バーツ(2026年1月に16バーツから値上げされました)。
船とゴールドラインの使い分け
晴れていて夕方までなら船(12バーツ・眺めがいい)。雨・夜遅く・荷物が多いときはゴールドライン(17バーツ・全区間屋根の下)。差額はたった5バーツなので、その日の空を見て決めれば十分です。
なお、川を縦に走る公共のエクスプレスボートにもアイコンサイアム近くに停まる系統(黄旗のチャルンナコーン桟橋・S10)はありますが、この方面は運休することが珍しくないという情報があります。あてにして予定を組むのはやめたほうがいいです。船で行くならシャトル、確実さを取るならゴールドライン。この2択で考えるのが楽です。
買い物をしなくても、ここは成立する
アイコンサイアムは高級モールとして紹介されがちで、実際に館内には日本の高島屋も入っています。ただ、旅行者として面白いのは値札のついた場所ではありません。
いちばんの見どころはG階のSookSiam(スックサイアム)です。約15,000平米の屋内に、タイ77県の食べ物と工芸を集めた常設の「水上マーケット」が作られています。船を浮かべた水路と木造の店構えが屋内に再現されていて、テーマパークの造りに近い。そして入場は無料です。

僕がここを推すのは、涼しいところで地方料理をつまめる場所として珍しいからです。バンコクの屋台は路上にあるので、暑さと排気ガスとセットになります。SookSiamは冷房の効いた屋内で、しかも東北料理も南部料理も並んでいる。夕方に来ると屋台側が活気づくので、時間を選ぶならそこです。
営業は10時から22時が基本ですが、祝日やイベントで変わることがあります。
入場無料で楽しめるもの
G階のSookSiam(屋内水上マーケット)/川沿いの遊歩道と対岸の眺め/夜の噴水ショー。この3つだけでも数時間は持ちます。お土産をまとめ買いする場としてもSookSiamは便利です。
噴水ショーは夜。ただし時刻は自分で確認したほうがいい
川沿いの遊歩道では、日が落ちてから噴水ショーが行われます。公式には東南アジアで最も長い噴水ショーとされていて、水が最大35メートルまで上がり、川沿い400メートル以上にわたって展開します。観覧は無料です。
ここで正直に書いておきたいことがあります。開催時刻は、情報が割れています。 「19時・20時・21時の3回」と書いてあるものもあれば、「平日は19時、週末と祝日は18時半と20時」とするものもある。公式サイトのショー紹介ページには時刻の記載がありません。

なので、この記事で時刻を断定するのはやめます。当日に公式サイトか館内の案内表示で確認してください。 現実的には、夕食を食べながら19時前後に川沿いへ出て、そのあたりで待つ形にしておけば取り逃しません。館内のスタッフに聞けばその日の回数を教えてくれます。
時刻が書いてある記事を鵜呑みにしない
噴水ショーの時間は変更されることがあり、しかも公式が時刻を常設で出していません。ネット上の「19時から」という記述は、書かれた時点では正しかった可能性が高いだけで、今日も正しいとは限りません。1時間前に着いて館内で確認するのがいちばん確実です。
寺院を午前、リバーサイドを夕方。船でそのまま繋がる
アイコンサイアムのいいところをもうひとつ挙げると、桟橋が観光の中継点になることです。
アイコンサイアム桟橋にはチャオプラヤー・ツーリストボートが寄港していて、王宮・ワットプラケオ・ワットポー・ワットアルン、それにアジアティークが同じ路線で繋がっています。アイコンサイアム桟橋発のプラアーティット行きは、おおむね9時台から19時台まで、30分間隔ほどで動いています。
これが意味するのは、寺院とリバーサイドを1日に収められるということです。しかも時間帯の相性がいい。寺院は朝いちが涼しくて空いていて、アイコンサイアムは夕方から夜が本番。午前と夕方で役割がきれいに分かれます。
川沿い1日プランの例
8:30 王宮+ワットプラケオ/10:30 渡し船(7バーツ前後)でワットアルン/12:30 昼食と昼寝の時間/15:00 ワットポー(19:30まで開いています)/17:00 ターティエン桟橋から船でアイコンサイアムへ/18:00 SookSiamで夕食/19:00ごろ 噴水ショー/帰りはシャトルかゴールドライン。
寺院側の回り方は、営業時間の非対称を使った順番が効きます。詳しくはバンコク三大寺院の回り方をまとめた記事に書きました。要点だけ言うと、ワットポーだけが19時半まで開いているので、そこを夕方に残すと暑さと混雑を外せます。
対岸の眺めを食事と一緒に取りたいなら、川沿いのレストランという選択肢もあります。ワットアルンを正面に見る席についてはザ・デッキの記事にまとめてあります。
お土産はSookSiamで完結させてもいい
SookSiamにはタイ各県の食品や雑貨が集まっているので、お土産を1か所で片づけたい人には向いています。空港で慌てて買うより種類が多く、値段も観光地の土産物屋ほど跳ねません。
ただ、定番のお菓子やスーパー系のばらまき土産まで含めて考えるなら、買う場所は分けたほうが効率がいいです。何をどこで買うかはバンコクのお土産をまとめた記事に整理しました。
荷物の順番を間違えない
お土産をSookSiamで買ってから寺院や観光に回ると、暑い中を紙袋を抱えて歩くことになります。買い物は1日の最後、つまり帰る前に回すのが正解です。船で帰る場合は乗り換えがないので、荷物が多くてもそれほど苦になりません。
夜をもう一段のばすなら、対岸のヤワラート
噴水ショーが終わるのが20時台なら、そこで宿に帰らずに川を戻る選択肢があります。バンコクの中華街、ヤワラートです。
屋台が路上に出そろうのは17時以降で、夜のほうが活気があります。アイコンサイアムから川を渡って旧市街側に戻る動線なので、その日の行動範囲から大きく外れません。何をどの順番で食べるかはヤワラートの食べ歩きの記事に書きました。
川沿いを軸に動く予定なら、宿もその周辺に取ったほうが1日が楽になります。エリアごとの向き不向きはバンコクのホテル記事を見てください。船とモノレールとMRTの使い分けそのものはバンコクの交通手段の記事にまとめています。
1日の予算感を先に知っておきたい人は、タイ旅行の予算の記事が目安になります。この記事に出てくる交通費は、シャトルボート12バーツとゴールドライン17バーツと渡し船7バーツ前後。全部足しても日本円で150円ほどです。移動でお金が飛ばないのが、この街の川沿いのいいところだと思っています。
料金と運航時間は改定されます。特にシャトルボートの運賃は無料から段階的に上がってきた経緯があるので、この記事の数字も2026年7月時点のものだと思って、桟橋の掲示で最終確認してもらえると確実です。





